写真提供:神戸新聞社
おしゃたか舟神事は、明石の夏の風物詩として知られ、海難防止と豊漁を願って斎行される明石最古の伝承行事、海上神事である。 対岸、淡路島岩屋より御遷座となった当時を偲ぶ為、以後連綿として行われている神事で、岩屋神社の夏大祭にあたり、毎年多くの参拝者で賑う。 昭和49年(1974年)に明石市指定無形民俗文化財に指定された。 以前は旧暦6月15日に斎行されていたが、昭和60年より7月の第3日曜日に斎行されるようになり、現在に至る。 |
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起源は、成務天皇13年(143年)6月15日の勅命により、(一説には当地の子に神懸かり、そのお告げに従ったという伝承もある。)当浜の名主(前浜六人衆)が新舟を造り、一族郎党を引き連れ淡路島に渡った。御祭神を舟に遷し帰路についたところ途中、明石海峡の潮の流れが速い為、舟をこの浜(前浜・明石浦)に着けることが出来ず、西方の松江海岸沖の赤石(明石の起源)の所で一夜を過ごした。この時にお供えしたのが特殊神饌と言われ、ハマチなどの出世魚・精白した麦にハッタイ粉をまぶしたもの・ヤマモモ・白酒の往古の当地の産物であり、現在も宵宮にお供えされている。
明朝、波風もおさまり、無事に現在の地に鎮座された。
神事の次第は、宵宮(前日)の早朝、神職・六人衆による禊が松江海岸にて行われる。精進潔斎後に茅の輪の調整が行われ、いよいよ準備が始まる。
当日、まずは御殿にて祭典が執り行われ、その後、宮司を先頭に六人衆、氏子総代、おしゃたか舟を担いだ明石浦漁協の青年達が厄除けの「茅の輪」をくぐり、列をなして約500メートル先の浜(御旅所)へと進む。浜へ着くや青年達は赤鉢巻きに褌姿になり、神籠(榊)を付けた長さ約1,5メートルのおしゃたか舟9隻を勢いよく「おしゃたかー」と唱えながら立ち泳ぎで舟を飛ばし、海上を進む。「おしゃたか」は神様が「おじゃったか(おいでになったか)」という方言。
その後、海上神事は宮司、六人衆、氏子総代を乗せた計7隻の漁船が松江海岸の「赤石」付近に到着する。この赤石付近の海上で神事を執り行い、宮司が宝剣を海中に献上する儀式が行われる。
なお、7隻の漁船の内訳は以下の通りである。
一番船 「宮司、会長、六人衆、猿田彦、古代船(御神刀、御神鏡)」
二番船 「総代」
三番船 「総代、大太鼓」
四番船 「総代」
五番船 「総代、警備」
六番船 「子供、子供会役員」
七番船 「報道陣」
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当日は厄除けの茅の輪くぐり、小学校児童あんど展、餅撒きなどの神賑行事や夜には出店屋台等で境内は賑わう。
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